『アートな手袋』by 吉田愛服飾専門学校
できごと
手袋づくり講座
メディアでも取り上げていただきましたが、吉田愛服飾専門学校の生徒の皆さまがデザインした「アートな手袋」のお披露目をしましたので、ご報告いたします。
「アートな手袋をつくろう」をテーマに取り組んできた手袋づくり講座。第3講では生徒の皆さんが考えた「アートな手袋」のデザインを発表していただき、香川県東かがわ市引田の江本手袋で実際に手袋を完成させ、最終の第4講で完成したアートな手袋のお披露目を行いました。
「手袋職人を守り育てる」をコンセプトにした手袋ブランド『佩(ハク・hac)』の一環として、本講座で生徒の皆さんに手袋づくりの面白さと可能性を知ってもらい、東かがわ市の手袋職人が培ってきた手袋縫製の技術が、次代を担う皆さまに役立てばという思いで取り組んできました。
そんな生徒の皆さんがデザインしたアートな手袋は、本当に素敵なものばかり。
1週間という期間もありいくつかのデザインをピックアップさせてもらいましたが、時間があれば全部形にしたかったほどの素晴らしいアイデアが詰まったデザインで、むしろ私たちのほうがたくさん刺激をもらって、ありがたい機会になりました。
それでは作品をご紹介します!
アートな手袋2022・作品発表
カラフル『みのむし手袋』
手袋の生地裁断で必ず出る「親指穴の裁断クズ」は、香川の手袋産業130年の歴史のなか、使い道が無く捨てられ続けてきました。
そんな親指穴の生地を活用するSDG’sで画期的なアイデアに、江本手袋の職人たちも脱帽です!
これは手袋づくりの歴史が変わるかも!?
『ゴシックロリータ手袋(左)』『ネギ手袋(右)』
どちらもデザインのイメージが広がって、こんなブランドがあればと商品展開が楽しみになりました。
特に、ネギ手袋は私たち手袋メーカーではなかなか発想できないアイデアだと思います!
ワカメやタコなど、海の幸シリーズなんかも良いですね~
古着シャツの襟を使った『カフス手袋』
古くなって着なくなったシャツを活かすという点でもGOODアイデアですし、手袋の裾にシャツ襟をあしらう斬新なデザインは新しいファッションの提案だと思います!
めちゃくちゃオシャレで、コレクションブランドなどにも使われそうな素晴らしいデザインです!
花いっぱいの『ガーデン手袋』
時間の都合で全体のシルエットを作りこみきれませんでしたが、手首の造形がデザイン通りになれば、今までに無かった新しい手袋の形になると思います!
お花の表現は、在庫にあったレースや刺しゅう、花のモチーフをアレンジしてみました。
優しくて華やかな手袋は明るく楽しい気持ちになります!
瀬戸内の海の中を表現した『神秘的な手袋』
色と網目の違うチュールネットを3枚使って、モアレで見る角度で色が変わるようにしてみました。様々な素材が使えるのも、香川の手袋づくりの特徴です。
時間があれば、深海の細かなディティールを刺しゅうなどで表現したかったです。
こちらも面白い手袋のイメージが広がりますね!
まさかの『ハマチ手袋』
「お魚の手袋があっても良い!」という発想で、東かがわ市の名物のブリやハマチが手袋になりました。
ブリやハマチがそのまま手袋になるとサイズが大き過ぎるので、出世前の「ツバス」をリアルな刺しゅうで表現しています。
手袋メーカーからは絶対に出てこないこの発想が凄いです!
今にも踊りだしそうな『バレリーナ手袋』
このデザインも、様々な素材や色を使って展開してみたくなる、ありそうで無かった新しい発想のファッションアイテムだと思いました。
とっても素敵です♪
舞台などで使えそう!
ハード&アーティスティックな『ロック手袋』
とにかくカッコ良い!
こんなデザインを発想できるなんて、本当に素晴らしいです!
素材はエコレザーを使い、斬新な形状の手袋と、カゴ状パーツはパイピングにワイヤーで造形しています。
手袋大好き『マフラー手袋』
佩(ハク)のコンビマフラーに手袋をドッキングしたら、というアイデア賞のデザインです。
これが実際に形にしてみたら、実用性とファッション性を両立しながら、しかも今までに無かったアイテムが出来上がりました。
これは今すぐ商品化したい!
終始笑顔の「アートな手袋」発表会を終えて
発表会が終わると手袋づくりの実習です。
真剣に手袋づくりに取り組んでくれる生徒さんたちに、手袋職人も力が入ります。
また、発表した手袋についての意見交換や、新しい手袋づくりのポイントを熱心に教わる生徒さんたちに、嬉しくて胸が熱くなりました。
そして、教える側の私たちのほうが、逆に生徒さんたちから手袋の可能性を教わったなと、有難い思いでいっぱいになりました。
吉田愛服飾専門学校の皆さま、今年も本当にありがとうございました!
手袋づくり、してみませんか?
存続が危ぶまれる地域の手袋づくりですが、やはり若い人たちの力が必要だと改めて感じています。
それは、私たちが「教える」というおこがましいものではなく、若者の活躍のために出来ることをやる。そのための環境をつくることが大切だと思います。
もし、手袋づくりに興味がある、手袋のブランドを作りたい、こんな思いをお持ちのかたは、是非江本手袋へお声がけください。
私たちに出来ることを最大限させていただきます。