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講演「理念を貫けば未来が見えてくる」

江本手袋(株) 取締役 江本 昌弘

 

不安と迷いが新商品開発の原動力に

 私どもの会社は昨年の暖冬で売上が大きく落ち込んだばかりで、今年こそはと期待している最中のコロナ騒動でした。はたして冬物の注文はくるのだろうか。このまま待っていていいのだろうか迷いました。

 会社の事業ですが、3 年前までは百貨店に納品している取引先に売上の8割を依存していたのですが、そこが倒産したため立ち行かなくなってしまいました。

 そこで背水の陣で自社ブランドを立ち上げたものの、課題が山積していました。それを打開するために咋年、香川同友会の「経営指針を創る会」に参加し、経営指針書を作成。初めての経営指針発表会を行っています。

 その発表会で江本手袋の2人の社員、一人は2005年縫製の仕事に携わっている女性社員、もう一人は私の叔父ですが、それぞれに仕事への思いを語ってくれたのですが、それをきっかけに社内が変わりました。地元の仲間やお客様も変わりました。私は確実に理念のほうへ向かっていることを実感しました。ちなみにわが社の経営理念は、「人らしく生きるものづくりで、喜び合える地域社会を創る」です 。

 そんな状況にも関わらず、暖冬で売上は壊滅的。そんなときにやってきたのが新型コロナでした。結果はというと、江本手袋の商品は売れました。なぜ売れたのか、その経緯をお話します。

 ある日 、電車やバスのつり革を素手で触れたくなくて軍手をしているというニュースを見ました。そのとき「これならできる!」とひらめきました。そして、夏物手袋を工夫し、ハンドソックスを考案。開発から製造販売まで約1週間という速さでした。ニーズに合わせてすぐに対応し、それで心が通わせることができるのは海外生産をやっている大きな会社ではできないことであり、またそれが自社の強みであることに気づきました。

 ハンドソックス製造販売に関しては、まずクラウドファンディングに挑戦すると同時に、既存のショッピングサイトで販売を始めました。クラウドファンディングに関しては、ありがたいことに買ったらすぐに届くというような特別措置を取ってもらえました。

 ハンドソックスの反響は大きく、注文が殺到し、うれしいメッセージが全国から届きました。届いたメッセージには返事を害き、お客様の声にできるだけ耳を領けるよう努めています。

≫続きはコチラ(中小企業家同友会サイトへ)

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